・強姦致死、致傷と故意:強姦犯人が殺人の故意をもって被害者を殺害した場合、強姦致死罪一罪とされるのか。また、強姦犯人が傷害の故意をもって被害者を傷害した場合、強姦致傷一罪とされるのか。
肯定説:この点181条は、殺人および傷害の故意ある場合を含むとして181条1項1罪で処断すれば、殺人の場合に比し法定刑が軽くなってしまい均衡を失する。そこで、肯定説は、殺人の場合、181条1項と、199条の観念的競合として修正をはかる(もっとも、死の2重評価は避けられない)。
否定説:これに対して、181条1項は結果的加重犯であり、故意ある場合を含まないとすれば、177条と199条のないし204条の観念的競合となる。しかし、この場合、強姦致傷に比し、刑が軽くなりすぎる。そこで、判例は181条1項に故意ある場合を含まないとしながら、181条1項と199条ないし204条の観念的競合として処断する(死亡、傷害結果の2重評価となることは避けられない。また、故意ある場合を含まないはずの、181条1項を適用するのはおかしい。との批判がある。)。
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