消費者契約法の目的と定義

消費者契約法1条

消費者契約法の目的は、以下の3点に集約されます。

①意思表示の特別法を定める。

②事業者の免責規定などを、無効とする。

③適格消費者団体による、差止について定める。

消費者契約法2条

消費者とは、事業として、または事業のために当事者となる場合を除いた、個人をいいます。

事業者とは、法人その他団体および、事業として、または事業のために当事者となる個人をいいます。

すなわち、消費者契約法における「消費者」とは、1条により、情報および交渉力において劣る一般消費者をカテゴライズするための概念ということになります。

反面、事業者とは、団体などの組織を供えていたり、個人商人など、経験、情報力、交渉力に優れた個人をカテゴライズするための概念ということになります。

つまり、消費者契約法は、対等を旨とする民法を修正する法律であり、修正の仕方として、当事者の性質に応じたカテゴリー分けを通じて、消費者と、事業者を観念して、調整を図るアプローチを採っています。

そのうえで、消費者という交渉力、契約力において弱いカテゴリーと、事業者という交渉力、契約力において強いカテゴリーの者が契約するときに、調整の必要性が生じるから、その契約は、民法の特別法の適用を受ける特殊の契約たる「消費者契約」として、捉えられることになります。

適格消費者団体については、消費者基本法8条にいう消費者団体にあたり、かつ、消費者契約法13条1項基づく内閣総理大臣の承認を得た団体が、これに当たります。

内閣総理大臣の承認は、行政処分ですが、適格消費者団体が行う差止請求権は、民亊上の権利と考えられます。

どちらにせよ、適格消費者団体の行う差止行為は、公益保護ともいえ、かなり行政機関よりの機能を果たしているという指摘が可能です。

また、事業者と消費者には、それぞれ、契約における説明、理解について、努力義務が定められています。