ハクビくんとハクトくん

ところでハクビくん、君に紹介したいやつがいるんじゃ

ボクに紹介したいやつ・・・?

そうじゃ。
仲良くできるかな?

うーん、相手次第だね〜

お主、居候の身なんじゃからもう少し・・・

気が合うかは相手次第かな〜

では、呼ぶぞ?

うん。

おーい、ハクトくーん
出ておいで〜

・・・

・・・

はーい

・・・

・・・呼びました〜?

おーい、出ておいで〜

は〜〜〜い

何ですか、大国くん

お、来たのう。

こちらハクビくん
今日からうちの神社に住むことになった

そういうことだから、よろしく〜

白ウサギさん

は?聞いてないですよ??

何ですか、この野蛮な古ダヌキは・・・?

タヌキではなくハクビシンじゃ

なんでもいいですよ、大国くん

それよりも、盟友のボクには相談があってもよかったんじゃあ・・・

まあ、それはそうなんじゃが・・・

ヤカミちゃんがその場で決めてしまったんじゃもの・・・

ヤカミちゃんが・・・?

何かこの神社のためになることでもしたんですか?

うーん、お供えを・・・

盗み食いした・・・

は?

ただの泥棒じゃないですか!

うるさいな〜

お腹が減って死にそうだったんだっ

ボ、ボクは反対ですよっ!

見ず知らずの泥棒を神社に住まわせるなんて・・・!

しかしのう・・・

このハクビくん・・・困っておるようでもあるのじゃ

・・・ ・・・ ・・・

困っている・・・?

そうか、そうでしたね、困っている者を放っておけない大国くんにボクも助けられたのでした・・・!

じゃあ・・・

いや!それとこれとは話が別っ!!

なんだよ〜さっきからいちゃもんばっかりつけやがって〜

勝負すっか〜??

ほう、いい度胸ですね

一介のタヌキにすぎないハクビくんが私に喧嘩を売るとは・・・!!

自分だってただのうさぎだろ〜?

ただの・・・?

お、おのれ! 格の違いを教えてやる!!!

へーん。格の違いなんてないもんね〜

まあ、いくらなんでも兎に負けることはないだろう。草食だし。

ぼーっとしてるな!行きますよ!

よし、へなへなパンチでも打ってこい!

トリャー!!ウサギ正拳突き!

うげっ!!

おりゃおりゃおりゃ!ウサギ下段蹴り!!

うげげげげげっ!

おりゃーー!!!ウサギ回し蹴りィイ!!

ぎゃあああああああ!!!!

うむ、西兎クンが圧倒しておるな!!さすがウサギ空手の有段者じゃ。

ウ、ウサギ空手・・・?

そ、そんなの聞いてないよー

しゃべっていると下を噛むぞ!

ウサギ耳ビンタ!!トリャ!!!

ウンギャアアア!!

うーん、これは一方的じゃな。ハクビくんには勝機がないわい。

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・

い、意識が朦朧としてきた・・・このままじゃ・・・

ふん、口ほどにもないですね。

さあ、この由緒ある神社への不審者の闖入劇の終幕といきましょう。

西兎くん、とどめをさす気じゃ・・・!

ウサギ後ろ回し蹴り!!

うおりゃあああああ!!

う、うわああああ!

ブオッ!

!?

おおっ!ハクビくんあろうことか敵に背を向けてうずくまった挙句凄い音の屁をたらしおった!

ぎゃあああああああ!!!!

に、西兎くんダウン!

ブクブクブク・・・

い、いかん、泡を吹いとる・・・しょ、勝負あり!!

ハクビくんの逆転KO勝ち!!

へ?や、やった~!!

これでここに住める!! ・・・でもどうして?

おそらく、臭いではなく、うさぎの良すぎる耳が災いしていきなりの大音量にびっくりして気絶したのじゃ

うーむ、まさかウサギ空手1000年の歴史をハクビシンの屁が上回るとは・・・

ウサギ空手?たいしたことなかったよ!

ハクビくん、君ほんとはスカンクじゃないのか・・?

失敬な!オイラはれっきとしたハクビシンだよ!

しかし勝負はわからんもんじゃ・・・

う、うーーーん・・・・

こうして、ハクビくんは神社に住むことができることになりました。