自賠責保険における後遺障害等級認定制度

自動車損害賠償補償法第11条1項は、「責任保険の契約は、第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる」と定めます(自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責保険)。

そして、同法13条1項は「責任保険の保険金額は、政令で定める」と規定しています。これを受けて自動車損害賠償保障法施行令2条は、以下のとおり定めています。

自動車損害賠償保障法施行令第二条

法第十三条第一項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。
一 死亡した者
イ 死亡による損害(ロに掲げる損害を除く。)につき
三千万円
ロ 死亡に至るまでの傷害にそる損害につき
百二十万円

二 介護を要する後遺障害(傷害が治つたとき身体に存する障害をいう。以下同じ。)をもたらす傷害を受けた者
イ 別表第一に定める等級に該当する介護を要する後遺障害が存する場合(同一の等級に該当する介護を要する後遺障害が二存する場合を含む。)における当該介護を要する後遺障害による損害(ロに掲げる損害を除く。)につき 当該介護を要する後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額
ロ 介護を要する後遺障害に至るまでの傷害による損害につき 百二十万円

三 傷害を受けた者(前号に掲げる者を除く。)
イ 傷害による損害(ロからヘまでに掲げる損害を除く。)につき
百二十万円
ロ 別表第二に定める第五級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の三級上位の等級に応ずる同表に定める金額
ハ 別表第二に定める第八級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の二級上位の等級に応ずる同表に定める金額
ニ 別表第二に定める第十三級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロ及びハに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の一級上位の等級に応ずる同表に定める金額(その金額がそれぞれの後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額を合算した金額を超えるときは、その合算した金額)
ホ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロからニまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額
ヘ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が存する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
当該後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額

この自動車損害賠償保障法施行令2条にいう後遺障害等級が定まらなければ、保険金額を決めることができません。

そこで、保険金額を定めるために後遺症が残存した場合は、損害保険料率算出機構が実施している後遺障害等級認定を受けて、後遺障害等級認定を受けなければなりません。