肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会

生成AIの発展に伴い、法務省が「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」を組成しており注目されています。

発足の理由として、「生成AIの普及等による肖像、声等の無断利用の事案が深刻化している等との指摘があること」とされています(法務省ウェブサイト)。

また、検討会の目標として「生成AIによる肖像、声等の無断利用の想定事例を題材に、パブリシティ権や肖像等をみだりに利用されない権利の侵害による⺠事責任が生ずるか否か、生ずるとした場合の損害賠償請求の範囲(逸失利益、慰謝料等)等の不法行為法の解釈適用上の論点やその考え⽅について必要な整理を行い、肖像、声等の無断利用の権利侵害によって生ずる⺠事責任に関して予測可能性を⾼めることを目指す」とされています(肖像、声等の無断利用による⺠事責任の在り⽅に関する検討会の開催について)。

この、「生成AIの普及等による肖像、声等の無断利用の事案が深刻化している等との指摘」については具体的にどのような指摘かは示されていません。報道では俳優や声優の肖像や声を無断する例が横行している点が掲げられています。こうした状況を看過できないとして検討が開始されるのかもしれません。

また、生成AIが実在の人物の肖像を生成したという事例より、実在の人物の肖像を利用した合成画像などの被害は実際に生じている例を散見します。

基本的に、著名人のパブリシティ権の検討が念頭に置かれているように思われます。経済産業省は、生成AIも念頭に置いた肖像や声のパブリシティ権侵害について現行の不正競争防止法の適用も示唆していました。こうした、不正競争防止法で拾えない類型の侵害については当然不法行為法に保護の範囲が重要となってきます。

この点について整理するための検討会となる可能性もあります。議論状況は、裁判所にも参照され今後の裁判例や裁判規範にも影響を与える可能性があり、さらに実務上も一定の指針になることが期待されるところです。検討会の検討過程や検討内容は注目されるところです。

また、検討内容によっては新たな立法につながる可能性もありその意味で注目されます。

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