知的財産高等裁判所で、商標「雨降」について有効とする判決が下されました。アイキャッチ画像は、判決文別紙より引用しています。
知的財産高等裁判所は、AFURIを巡る紛争の一環で提起された商標「雨降」を無効とするための請求についてされた特許庁の、請求は成り立たないとする審決取消を求める訴訟で、原告の請求を棄却しました。
つまり、知的財産高等裁判所は、商標「雨降」を有効と判断しました。
当該訴訟は、下記リンク先で言及しているプレスリリース戦略が話題になった商標権侵害訴訟とは別の訴訟になります。
「雨降」と「AFURI」が似ているかについて知財高裁の判断
この点、知財高裁判決は、『原告は本件商標において「アフリ」の称呼が生じるものと主張するところ、「雨降」の文字から「アフリ」の称呼が生じるとは直ちに言えないものの、「雨降山」を「アメフリヤマ」と称呼する場合が多いものが、「アフリヤマ」と称呼する 場合があること(甲49、乙1~5)も踏まえると、「雨降」から「アフリ」の称呼 が生じないとはいえず、その場合本件商標と引用商標の称呼が同じとみる余地もある。』として、「雨降」は確かに「アフリ」と読む場合もあると認めています。
もっとも、知財高裁は、『観念においては、本件商標は「雨の降ること。雨が降っている間。雨降り」といった観念が生じるのに対し、引用商標は同様の観念は生じず、特定の観念を生じるものではない。』として、「AFURI」から特定の意味は生じないとしています。
その上で、『そうすると、本件商標と引用商標は、外観において相違し、観念においても相違するものであって、称呼において共通となる余地があるとしても、外観及び観念の相違は称呼の共通性による印象を凌駕するものといえる』として、「雨降」を確かに「アフリ」と読むことがあるとしても、意味や外観が違うため、「雨降」と「AFURI」は総合的に似ているとは言えないと判断しています。
商標権を巡る権利化、紛争などのご相談について
弁護士齋藤理央は、弁理士資格も有するなど知的財産権業務に重点をおいている弁護士です。もし商標出願や商標権を巡る契約、紛争などの法的課題がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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